「夏のバルコニー」

okp2006-02-04

私はただ一度しか、若林志穂さんがテレビで歌っているところを見たことがない。
その一度が「夏のバルコニー」だ。
とはいえ、それは歌番組ではない。
天までとどけ」の一場面で、ごく一部を歌っているのを見たに過ぎない。
しかし、このときから、もっと志穂さんの歌が聴きたいと思うようになり、首都圏各地の中古レコード店を歩き回ることになる。


前回の「テレフォン・キッス」は一部で酷評されていたが、「夏のバルコニー」は悪評は聞かない。
「歌唱の成長も著しく」*1「よく通った声で音程もバッチリ」*2との評価を受けている。
楽曲に関しては、「爽やかな夏を感じさせるモータウン*3で、恋する少女の素直な気持ちを歌っている。
夏の日差しあふれるバルコニーに、「誰より好き」な「あなた」とずっといることによって、少女はどんどん輝きを増していける。
本人も、歌うアイドルとしては最も輝いていた時期なのではないだろうか。
この時期に出会えなかったことはちょっとした不幸だったのかもしれない。
でも出会えなかったからこそ、それまでの足跡を必死に追い求めることができたし、深くのめりこむようになっていったともいえる。


アイドル黄金時代大名鑑

アイドル黄金時代大名鑑

*1:藤井淳編著「アイドル黄金時代大名鑑」

*2:「アイドルPOPS 80-90」

*3:筆者には何のことだかわかりません