「“月蝕の館”殺人事件」(再放送)

綾辻行人の「鳴風荘事件 殺人方程式2」のドラマ化。
本放送は96年8月17日の土曜ワイド劇場。
若林志穂さんは主人公明日香井響(佐野史郎)の妻、深雪役。
このドラマを見る前は、綾辻作品は、「館シリーズ」しか読んだことがなかった。
もちろんこれも未読であった。
綾辻自身、自作のドラマ化は好まないようで、決定までに紆余曲折があったことを、文庫版のあとがきにつづっている。
「殺人方程式」シリーズは、明日香井響と叶の双子が主人公となるシリーズなのだが、ドラマ化にあたって、この設定が変更されてしまった。
「視聴者が混乱するから」
というのが理由らしいが、制作側の力量の問題なのだろう。
このドラマを見た綾辻の感想もある。

ドラマの前半部はおおむね原作に沿った形で進む。


中略


―のだが、後半に入ってからの怒涛の展開には、正直云ってたじろいでしまった。


中略


……うう、知らなかった。そうかこういう事件だったのか、『鳴風荘』。


この若林志穂さんは明るい役だった。
こういった明るい役のほうがわたしは好きだな。
天までとどけ」のしっかりもののイメージが強いけど、このころには悪役もやってるんだなぁ、と独自のデータベースを見つつ、しみじみ思う。
「高校教師」はずいぶん意地悪な役だったし。

これからも、「冬輪」みたいな役はもちろん、たまには能天気な役もやってほしいなぁ。