どんぐりの家


前回の日記で手に入れた資料を基に、探し回ること数ヶ月。
ある中古レコード店の帰りにそれを見つけた。
電車で帰るかバスで帰るか迷っていたが、電車は乗り換えなければならないし店からの距離もある。それに運賃もそれほど差はないのでバスを待つためにバス停に向かった。
そのバス停は車庫が併設されているため待合室などもあるやや大きなところ。
時刻表を見るために待合室に近くに行くと、ポスターが貼ってあることに気づいた。
公民館で映画の上映会が開かれるらしい。
それが「どんぐりの家」
なるほど、障害者の活動の映画かと何の気なしに出演者を見ると、そこにその名はあった。


若林しほ

ほかの出演者を見ると、岡江久美子さんを筆頭にどうやら同じ事務所所属の人が多い。
そういう現場は多いのかは知らないが、「やさしい旋律」もそうだったな。
しかし、上映日時を見ると、休日ではないため見にいくことができない。
この手の催しは何度も同じところで行われるものではないので、行きたかったけれども仕方なく泣く泣く諦めた。


それから10年以上がたった今年、日課の検索でたまたま見つけたのが制作会社どんぐりの家 DVD/ウイニングパス DVD/ふるさとをください/イメージサテライト/Production Image Satelliteのサイトだった。
在庫さえあれば通販もしているということなので、在庫確認後すぐ注文。
長年の念願かなって見ることができた。
詳しくは以下のサイトをご覧いただこう。
どんぐりの家 - Wikipedia


聴覚障害に加え知的障害を併せ持つ重複障害者の成長と、彼らの自立を支援するための施設を設立するまでを描く、実話をもとにしたアニメ映画。
テーマがテーマだけに重苦しい内容になりそうだが、希望を見つけ目標へ向かってすすんでいく流れが、落ち込む暇を与えない。
それでいて訴えるものが明確で広報作品としての役割もきっちり果たしている。


若林志穂さんは主人公が生まれた病院の看護婦役で、出産直後の母親に優しい言葉をかける。
こんな看護婦さん(声だけだけど)がいるのなら入院の苦痛も多少は和らぐに違いない。
出番は以上。
時間にして10秒程度か。*1
それだけでいいの? と思う人もいるかもしれないけれど、これだけでもかまわない。
連続ドラマに1話だけゲスト出演があって、その映像化商品がBOXしかない場合はさすがに躊躇するけれど、金額の多寡よりもそこにいることが大事なのだから。

*1:でも「生徒諸君」よりは長い。

ライブラリ充実への道。

インターネットを導入してからはヤフーオークションは重宝した。
なにせ検索窓にキーワードを入れるだけでずらっと商品が出てくるのだから。
とにかく新しい発見ばかりで、「こんな雑誌にも! こんな作品にも!」と驚くことは一度や二度ではなかった。
普通の古本屋などでは売れない雑誌の付録や切抜きなどもあって、飽きることはなかった。
最近は、すでに持っているものしか出品されなくなったのがさびしいが、眺めているだけで楽しいものだ。


それまではどうしていたかというと、以前の記事できっかけのひとつとして書いた「投稿写真」1996年5月号。

これを抜きに語ることはできない。
このときの特集が


「アイドルお宝鑑定団」


「開運! なんでも鑑定団」が放送開始から2年、世の中にお宝ブームが広がりつつあったが、この世界も同じだったようで、「あの女優がかつては水着に。ヌードに」というものが高値で取引されるようになっていた。
その火付け役といわれるのが、この特集で中心に紹介されるカルチャーステーションというお店。
この店の前身となったのが誌上オークションということで、その当時もオークション誌を発行していた。


早速入手してみると、人物ごとにその人の掲載されている雑誌等がリスト化されている。
期待半分不安半分に「わ」の項目を見たがいない。
ここでもダメなのかと思ったところで気がついた。
漢字音読み。
「若」の音読みはジャクなので「し」に分類されていた。


こんなにあるのか、見たことも聞いたこともない雑誌が。
とりあえずメモを取って、いずれは店舗にも行ってみよう。
そのときには「投稿写真」に紹介されていたほかの店にも行ってみよう。
そうだ、タウンページで近所の古本屋も調べてみようか。


こうして90年代の後半は実りあるときとなったのでした。
高崎行ったり長野行ったり

やさしい旋律

やさしい旋律 [DVD]

やさしい旋律 [DVD]

同名の携帯小説の映画化作品。

美月茉莉亜(柳沢なな)は銀行で働くOL。ある日、仕事が終わって帰宅すると、アパートのごみ置き場にピアノのようなエレクトーンのような楽器が捨てられているのを見つける。何かに惹きつけられるように、その不思議な楽器を部屋に持ち帰って鍵を開けると、そこには“ダルシトーン”と記されていた。ダルシトーンとの出会いから、茉莉亜の運命は導かれるように動き出していく。弟・七海(佐藤考哲)と同じ不思議な夢を見たり、同じ会社の先輩、榊賢斗(松田悟志)に告白されたり、“運命の人”と信じていた元恋人の蒼井冬馬(篠田光亮)と再会したり……。亡くなった母は、最期に“茉莉亜にも必ず運命の人と出会うことができる”という言葉を残していた。大切な人を失い、心に深い傷を負っている茉莉亜にとって“運命の人”とは……。


若林志穂さんは茉莉亜の母役として、回想シーンに登場する。
また、茉莉亜の夢に現れる母子の母の声で、この物語のキーになる会話をする。


母親にとって茉莉亜の父となる男性は「運命の人」だったのかもしれないが、その言葉に翻弄される茉莉亜はさながら悲劇のヒロイン。
見ている立場としては、幸せになれる相手はどう考えても一人しかいないだろうと思うのだが、臆病になったせいで気づかないふりをしているのか、とにかくもどかしい。
その割に最後の展開が一気に進むので、違和感がのこる。
夢のメッセージのおかげで、この劇的な幕切れにも何とか納得はできるのだが、茉莉亜を翻弄するのも最後に背中を押すのも若林志穂さんというわけで、メインストーリーにはかかわらないものの、とても重要なポジションをしめている。
つまり、すべては若林志穂さんの掌の上で行われていたにすぎないのだな。
クレジットは友情出演だけど、実は主役だったんじゃないか。
このブログ的にはこの解釈でOKだな。


余談1。
鳥居みゆきの存在感がすごい。
友情出演だが、友情はないと言い切る姿勢もすばらしい。


余談2。
塚本高史の使い方が贅沢。
あそこで登場なら、もう運命の人でいいよね。
唐突な出会いがそれっぽいと思ったのだが、さすがに伏線も何もなくではお話にならないか。


余談3。
むしろ本題かも。
茉莉亜が父親の写真を見せてもらう場面で、「寿」とかかれた写真が目に付く。
もちろん結婚写真なのだが、それを見た茉莉亜の表情がアップになる。
だがちょっと待って欲しい。
当然花嫁は若林志穂さんなので、もっと大きく映したものが見たかったのだが、非常に残念だ。
紫のドレス、似合っているはず。


余談4。
母親の七回忌のあと、茉莉亜は自室に位牌と遺影を持ち帰るのだが、この笑顔がまたすばらしい。
その写真ください。


余談5。
本当に余談か?
なくなる前に母は茉莉亜に手紙を書くのだが、結構きれいな字。
書いているシーンもあるけれど、本当に志穂さんの字なのかしら。

必殺始末人II

必殺始末人 全集 [DVD]

必殺始末人 全集 [DVD]

必殺シリーズの末裔。
若林志穂さんは芝居小屋の役者の役。
仲間の役者が次々殺されていき、始末人に興行主の始末を依頼するのだが、実は・・・


常々思ってきたことがある。
天までとどけ」の長女役や2時間ドラマでの被害者役など、あまり悪い面を持った役柄をあまり見たことがない。
犯人役をやることもあるけれど、とんでもない悪人というわけでもない。
一番見てみたいのは悪女、それもとてつもないワル。
その点では、最も近い役柄といえるかもしれない。
もっともっと悪い女を見たかったなあ。


さて、デビュー当時のインタビューで好きな人の項目に「トシちゃん」*1と答えていた志穂さんだが、この「始末人」シリーズの主演はそのトシちゃんこと田原俊彦
撮影のときはどんな気持ちだったのか、ちょっとだけ気になるな。

*1:筆者の場合は島崎俊郎を思い浮かべる。

DELUXEマガジン

予備校に通っていたとき、講義の合間に近くの書店を訪ねては、試験とは無関係の本を探していた。
それは冬期講習のある日、その日はたまたまアイドルの写真集の売り場を歩いていた。
そこで見かけた斉藤由貴写真集「いつもそばにいて・・・由貴」をパラパラめくっていると、当時好きだった人に似た写真があったのですぐに購入。
家に帰ってじっくり見ていると、半ばにこれまでの歩みのようなページがあり、そこに今までのデラマガの表紙や広告が掲載されていた。
そのNO.12の表紙に若林志穂さんの名前が載っている。

拡大してみよう。

それとは別にデラマガNO.11の広告にも名前があるように見える。

こっちも拡大。

しかし表紙には名前がない。

いろいろ悩んではいたけれど、4年前に出版された雑誌などどこで手に入れたらいいのかわからない。


それから約1年後、大学生になった私は夏休みに都内の某空港でアルバイトをしていた。
当時は寄り道ばかりして、まっすぐ家に帰ることなどしなかった。
その日も乗り換えの駅で途中下車をして、商店街をふらついていた。
古本屋を見つけて入ってみると、たくさんのアイドル雑誌が置かれていた。
若林志穂さんの過去が気になっていた私は迷わず中に入り、なにか見つけ出してやろうと考えていた。
ふと壁を見ると、そこに「DELUXEマガジンNo.12」が掛けられていた。
間違いない、探していたものだ。
表紙にもちゃんと名前が書いてある。
しかしなんだこの値段は。
2500円。
表紙には定価890円と書いてある。
これがプレミア価格というものなのか。
悩みに悩んだ末に買うことに決めたが、これ以降、好きなものにお金を使うことの快感に目覚めてしまった。
帰宅して早速ページを開くとこんなことが書いてある。

「デラマガ11号でダントツ多目のファンレターが殺到した志穂。」
なんと前号好評につきアンコール企画だった模様。
11号も手に入れなければならないが、その店にはなかった。
と、ここまで書いて気がついた。
11号はどこで手に入れたかすら覚えていないということに。
しかし手元にあるこれは紛れもない実物。
ちゃんとグラビアが掲載されている。

ところでこういうグラビアにはちょっとした文章が書かれていたりするけれど、やっぱり編集さんが書いたものなんだろうな。
インタビュー形式のものはちゃんと取材したのかな。
誰のファンだというのは別の媒体でも同じことが書かれていたので、本人の言葉を編集が脚色したものなのだろう。
それでは最後に。*1

そういえば、一度だけファンレターを書いたことがあったな。
届いたかどうかも定かではないが。

*1:現在は募集しておりません。

高校教師

番組放送の7ヶ月前。
当時の私は母校で教育実習の真っ最中。
率直な感想を言えば、とても楽しかった。
慣れないリズムでの生活などいろいろ大変なこともあったが、生徒は協力的で授業や学級活動もスムーズに行き、苦よりは楽のほうが上回った。
最終日の前日にはめをはずして、最終日が二日酔いだったことは、もう時効だから言ってもいいよね。


それから1年後。
実習で一緒だった人と話す機会があって、ドラマ「高校教師」の話題が出た。


「実習が放送前で、本当によかったよね」


当時はドラマをほとんど見ず、私のこのドラマの知識は「高校教師が生徒と恋に落ち、最後は心中(?)する」程度のもの。
あいまいに相槌を打ったものの、よくわからないのが本音だった。


さらに数年後。
若林志穂さんが「高校教師」に出演されていたことを知り、ビデオを入手して確認することになる。
ああ、彼が言いたかったのはこれのことだったのか!
確かにこのあとでの教育実習はいやだ。
実際はどうだったかって?
指導教官はおば・・・ベテランの先生だったので、もちろんそんな事態にはなりませんでしたよ。

ラビリンス・ゴールド 再考

いよいよ - なんかかきます
ここ数日、「ラビリンス・ゴールド」を見ていてふとおもった。
一本芯になるストーリーがあるイメージビデオってそうないんじゃないか、と。
それほど多く見ているわけではないのでそれが特殊なものなのかはわからないけれど、数少ない経験ではそういうものはなかった。


こういう場合、いったいどれくらいの量の撮影をするのだろう?
当時掲載された「GORO」のグラビアは、このビデオのロケ先で同時に撮影されたものと推測できるし、ジャケットには掲載されていても本編に登場しない写真もあるので、写真集を作る動きがあってもおかしくはなかったと思うのだが残念だ。
下世話な話になるが、このときに写真集が出ていれば、のちに出版されたものよりも格段に「実用度」は高かったに違いない。